スルー横型のブックケースの両サイドに輝く金とレインボーシルバーの箔は、中に納められた本に施された天金加工によるもの。中の2冊の黒い「黄昏」は羊皮紙すみ160kgという黒い紙に黒1色、白い「彼誰」は新シェルリンNプレーン180kgに白印刷と単色刷りを効果的に使い、紙と同色系のインクにも関わらず読みやすく印象的な仕上がりとなっています。

美術準備室のワンシーンを描いたブックケースのイラストは、人外アンソロジーということで半透明のパール箔の下から覗く鏡には二人の本当の姿が。手前の人物にも角や尻尾などが夕陽に照らされ浮かび上がります。

羊皮紙すみ160kgという黒い紙の文字や絵柄ではなく背景の余白部分を塗りつぶすことで、黒い紙をさらに黒くし、用紙の色が残った絵柄や文字が浮かび上がります。真っ黒い表紙と真逆の赤い箔押し加工と虹色の天金加工が目を引きます。

パール調の輝きを放つ新シェルリンNプレーン180kgに白印刷で輝きを抑えることで、文字と絵柄が浮き出します。金の天金加工に縁取られた表紙の中心につや消し金の箔押しが優しい輝きを放ちます。

黒い表紙にド派手な赤箔とレインボーシルバーの天金加工の「黄昏」。白を基調につや消し金の箔押しと金の天金加工で明るい印象の「彼誰」。色合いと装丁で二人の登場人物を連想させます。